87歳の父、余命1ヶ月と言われてからの奔走

80代の両親と、これからのこと奮闘中!

[33]母がいなくなった!

毎日夕方5時半に、母に電話をかけています。だいたい20分ほど、今日あったできごとや、何を食べたかなどの他愛のない会話を楽しんでいます。 しかし、今日、電話をかけても母が出ません。母は夜に外出しません。母がこの時間に在宅していないことはないの…

[32]規則正しい生活の大切さ

夏に父が亡くなって4ヶ月ほど経ちました。 あの頃の母は支えなしではひとりで歩けず、自分の世話を止め、ただテレビの前にぼおっと座っている毎日でした。誤嚥性肺炎も拗らせてしまい、顔は紙のように白くどんどん弱っていくようでした。このまま父の後を追…

[31]戒名

お香典返しの手続きが済み、やっと落ち着いたと思ったら、先日納骨のときにお会いした伯母から電話がかかってきました。 「納骨も済んだことですし、何というのかしら、けじめというか、何か送ってくださるのかしら?」 携帯を握りしめながら冷や汗が吹き出…

[30]お香典返し

父が亡くなった日に、電話で親戚全員に死去を報告し、コロナ禍であることから葬儀は行わないのでお香典は一切辞退する旨を伝えたのですが、多額の御霊前が送られて来てしまい、母はとても悩んでいました。 「香典返しは気にしなくていい」と皆さま口を揃えて…

[29]人が亡くなったとにする手続き

人が亡くなると、びっくりするほど多くの手続きがあります。土地・建物や多くの遺産がある方々はもっと大変でしょうが、うちはそんなことはありません。前述の通り、都営住宅ですし、父の預金額も税金免除の対象額でありました。 それでも、わたしはパニック…

[28]納骨

父が小学生のときに、後継がいない親戚の名字を引き継ぐことになったそうです。ある日を境に、5人兄弟の次男だった父は、今までと変わりなく家族と暮らしているのに、自分だけ別の名字を名乗ることになりました。 そして、その名前と一緒に引き継いだのが、…

[27]母の健康を守るには?

自分自身の世話をやめてしまった母。20年前に癌で食道を摘出した母の体重は34kgしかありません。これ以上減ったら命にかかわります。かと言って、仕事を放り出してずっと母の側にいることはできません。ではどうしたら? 試行錯誤で試したことを書いてみます…

[26]母を連れていかないで

母はひとりでいるとほとんど何も食べません。風呂にも入らず着替えもしません。これがセルフネグレクトというのでしょう。 引っ越してそのままになっていた段ボール箱から、以前母が可愛がっていた、おしゃべりする人形を探し出しました。1人で寂しい思いを…

[25]親戚の気持ち

父を火葬した次の日の夕方、実家を訪れますと驚くことが起こっていました。 父は5人兄弟の2番目で、兄がひとり、弟がひとりと妹がふたりおります。父が87歳ですので兄弟妹も高齢です。コロナの感染者数も日に日に増え続けて衰える兆しは見えません。そのよ…

[24]火葬4 父の骨

葬儀社の安置所 父の棺が葬儀社の黒いワンボックスカーへ乗せられました。昔よく見た、金色の豪華絢爛な霊柩車はもう時代遅れで使わないのでしょうね。 子供の頃、「霊柩車を見たら親指を隠せ」と言われていたので、目にすると両手で拳を握り、左右それぞれ…

[23]火葬3 納棺のしきたり

冷やされた部屋に、白装束を身に纏った父が寝かされており、亡くなった日から三日振りのご対面です。 水に浸した大きめの綿棒で唇を濡らします。それから、水で濡らし固く絞ったタオルで手足を清めます。父の両手は白く大きく浮腫んでいて、触ると氷のように…

[22]火葬2 雨男の遺影

台風が近づいているようで、雨風が強くなってきました。駅前に迎えに来た兄の車にスカートをたなびかせながら飛び乗りました。 助手席に座り、後部座席にちょこんとおさまっている母を振り返って 「ママ、大丈夫?」と声を掛けます。母は消え入りそうな声で…

[21]火葬1 ネックレスの長さ

クローゼットの奥から喪服を引っ張り出しました。7年前に、母の姉である伯母が亡くなったときに慌てて買ったものです。袖が長かったのですが、葬儀の前日でしたのでお直しも間に合わず。伯母の葬儀が終わったら直そうと思ってそのままになっています。わたし…

[20]母と年金事務所

母と年金事務所へ行きました。父の年金支給差し止めと、母が受給できる遺族年金の手続きのためです。 年金事務所のガラスの自動扉に、手を繋いだ母と私が映りました。腰が曲がった隣の母を見て、わたしは思わず「なんて小さいんだろう」と驚きました。子供の…

[19]父とのお別れ(2)葬儀の打ち合わせ

父が入院していた病院の1階にある霊安室で、あっという間に病人から故人になった父が、祭壇の後ろに横たわっています。 もしコロナでなかったなら、この霊安室に父の兄弟家族らが会いに来たのでしょうが、来ないよう告げてあるので、焼香するのは母、兄、わ…

[18]父とのお別れ(1)霊安室

朝7時に、枕元で携帯電話のバイブレーションが鳴っているのに気がつきました。慌てて出ると病院からでした。3度目の危篤です。 電話を切ったあと、着信履歴を見ると、病院から4回、母からも着信が入っていました。急いで身支度を整えてうちを飛び出しまし…

[17]父、危篤(2)2回目の呼び出し

父が危篤だと病院から呼ばれましたが、あと数日は大丈夫だというので、母を実家に送ってから、わたしは自宅に戻りました。 するとまた、病院から電話がかかってきました。再び「血圧が下がったのですぐに来てください」とのことでした。 こちらに向かってい…

[16]父、危篤(1)

父の入院先から電話がかかってきました。 担当医の先生からで、 「血圧が急激に下がっており、意識レベルが下がっていますので、すぐに来ていただいた方がいいかと思います」 とのことでした。 最寄駅からタクシーで実家に寄り、母を拾って病院へ駆けつけま…

[15]大どんでん返し。施設へ入居できません

父の入居先へ、明日料金の支払いに行くことになっていた矢先、父が入院している病院から電話がかかってきました。 「施設へは入居できません。療養病棟がある病院へ転院します。こちらで手配中です」 わたしは電話口で言葉も出ませんでした。 「え? えええ…

[14]資金調達完了

父の定期預金解約。普通口座への移動には委任状が必要ありません。

[13]母の散髪

朝、母に電話すると、咳が続いて食欲がないと言います。こんなとき、料理上手だったら、ササっとおかずを作って持っていくことができるのに、と悔みます。 ここ最近、実家へ通い詰めて、仕事がまったく捗りません。夜中まで仕事をしているので睡眠不足で頭も…

[12]画面越しに父とご対面

転院の件で、父が入院している病院へ電話をかけました。すると、なんとあっさり、あと10日で退院できるので、施設へ入居の準備をしてもよいと言われました。これでやっと父の顔を見てお別れができそうです。 同じ日に、父の入院先から「紙おむつが足りなくな…

[11]父、感染症で退院できず

父が転院する予定の介護施設から電話がかかってきました。施設が父の入院先の病院と話して、父がその施設に転院できるかが決定されるはずでした。決まればようやく施設で父と母を会わせることができるのです。 しかし結果は、父は新しい感染症にかかったので…

[10]自宅で看取るべき?

週末の土曜日。朝、母に電話して薬をちゃんと飲んでいるか確認し、昼に兄が実家へ来ることを聞いて安心したので、久しぶりに遊びに出かけてしまいした。 真っ青な空に富士山が大きくそびえ、久しぶりに父のことを忘れて草原を歩いておりましたら、母の主治医…

[9]母が急激に弱まってきて

父が転院予定の施設と病院側が面談をして、病状を確認してから施設へ転院することになっているのですが、一向に連絡が来ません。 今日は母の行きつけの病院へ付き添う日です。母は咳がずっと続いていて食欲がありません。実家へ向かう途中、父が入院している…

[8]父の定期預金解約

父が入居することになっている施設は、月々30万円近くかかります。 両親は長く自営で小さな小売店を営んでいて、団地住まいで大きな蓄えはないはずです。わたしはこの金額を兄とふたりで負担することになると覚悟し、もし余命が伸びて一年生きたら、、、と考…

[7]父の行き先決定、、、?

実家から徒歩数分のところにIホームというのがあり、今日はそこへ見学に行きました。まだ新しくとてもきれいなところで、面談した担当の女性も感じのよい方です。部屋は現在住んでいる家よりも豪華。余命1ヶ月と診断を受けた父も入居できると言ってくれてい…

[6]やっぱり悲しいんだね、きっと。

いつも母が先になくなったときのことを考えて怯えていた。父が残された場合、私が介護することになるからだ。病院で父の余命があと1ヵ月だと聞かされた時、正直ほっとした。 今それを思い出していてほっとしている自分は冷たい人間だろうかと考える。でも事…

[5]病院?施設?仲介業者に不信感

午前10時、約束の時間にホスピスのインターフォンを押しました。 昨日、看護師である友人に電話をし、明日ホスピスの見学に行くのだけれど、こんなことは初めてで、いったいどういうところを見ればいいのかと相談しました。友人は、 「まずは清潔なこと。施…

[4]余命1ヶ月の宣告

父が入院して3日後、病院から「担当医師からお話がありますので来てください」と連絡が入りました。母は「あら、もう退院なのかしら? もう少しのんびりできるかと思ったのに」と少し残念そうです。 母とふたりで父が入院している病棟へ伺うと、医師から、…